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啓太の一日 ( 柱時計 )

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ボーン ボーン
啓太の家の大黒柱には 古いゼンマイ時計が掛けられている
其の時計は 啓太の住む家が建った時に 御爺ちゃんから譲り受けたと言う話である
時計には 扉部分に細工彫りが有り 時計全体がフクロウのデザインと成っていた
丁度 啓太が小学校に上がると同時に 時計のゼンマイ巻きが 啓太の仕事になった
しかしながら 背の低い啓太は 椅子に乗っても まだまだ 時計に届かない
従って ゼンマイを巻く時には 父ちゃんに肩車をして貰って
要約 仕事に取り掛かれるのである
啓太の住む地域では 町役場から引かれた有線のスピーカーから 
午後九時の時報前に 静かなクラッシック音楽が流れ
此れを合図に時計を合わせるのが日課となっていた
「 父ちゃん もうちょっと 右、右 」
父は、障子の珊に手を掛け それを目安に 啓太を肩に乗せて立ち上がるが
まだまだ ちっこい啓太は 中々 ゼンマイの螺子穴に手が届かない
「 うん そのままやで~ 」
ギーコ ギーコ カリカリカリ
ゼンマイの螺子穴はフクロウの目の位置に左右にひとつずつ有り
左目は時報の音を出す為のゼンマイで
右目は時計を動かすゼンマイに成っていた
有線のスピーカーから時報が流れ出す
 ピッ ピッ ピッ ポーン
啓太は 時報に合わせて 其の小さな指先で 素早く長針を真上に合わせると
ボーン ボーン ボーン ・・・
「 父ちゃん もう いいよっ 」
「 啓太、ごくろうさん 」
父は 啓太を肩から下ろすと 啓太の頭を撫でる
「 僕も 早よ~大きくなって 一人でゼンマイ巻ける様に
                    成ればいいんやけどな~ 」
「 父ちゃんは 啓太を肩車してる方が 楽しいがなっ 」
「 そんなら 僕がちっこいままの方がええんか? 」
「 そう言う請っちゃ無い 今はこう云う事が幸せ かもしれんと思ってなっ 」
「 啓太が 丈夫に育って大きくなったら 父ちゃんのことを肩車してみるか 」
「 うん、」
・・・
その夜は ちっこい啓太が父ちゃんを肩に乗せている 夢を見た

 

時計修理の千年堂

 

 

 

 

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