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啓太の一日 ( 八目鰻 )

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「 一夫、どうや取れたか? 」「 まだ ぜんぜん 」
ねこやなぎが芽吹き 春の様相が色濃くなったとは言え
      まだまだ冷たい川の中に入り 魚すくいに興じる 一夫と啓太の姿があった
「 おっ、なんか入っとる 」「 どれどれ 見せて 」
「 なんや これ 」「 うん なんやろな~ 」
掬い上げた魚を バケツに移すと そいつは バケツの縁に口を吸い付ける様にくっ付いた
「 どじょう? じゃないよな 」「 僕も 見た事無い 」
「 そや、さっき校長先生を見たで、校長先生なら知ってるんとちゃうか 」
啓太達の居る小川から 見上げれば直ぐ其処に小学校が見える
子供達は 図々しくも 休日に学校に来ていた校長先生に聞こうとしているのである
タッ、タッ、タッ、カラ、カラ、カラ、カラ、
「 こんにちは 校長先生 」「 ん、どうしたんだね 」
「 うん、此れ 」「 校長先生、此れなんて言う魚? 」
校長先生はやさしく「 どれ、見せてごらん 」
「 ほ~ めずらしいね これは 八目鰻って言って
              食べると鳥目に良いと云われているんだよ 」
「 大きく成れば 40センチぐらいになるらしいが
               先生も そんなに大きな物は 見た事は無いがね 」
「 ほら 身体の横に小さな穴が有るだろ これは鰓孔( えらあな )と言うんだ
       本来の目と鰓孔を横から見ると8つ並んでいるところから
                     八目鰻っていう名前になったそうだ 」
「 ふ~ん そうなんか~ 」「 校長先生 ありがとうございました 」
「 はい、どういたしまして 判らない事は 誰にでも聞いていいんだよ 」
啓太は 歩きながら「 八目鰻、八目鰻、八目鰻、」と呪文のように繰り返す
「 家に 帰ったら 父ちゃんに教えてやるんや 」
「 啓太、僕も父ちゃんに見せるから もっと いっぱい掬おうよ 」
「 うん、八目鰻、八目鰻をいっぱいや 」

 

 

 

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