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2012年6月20日の1件の投稿

啓太の一日 ( スコップすべり台 )

Photo_2

「 うわー 」
啓太の家の脇に作られた かまくらとスベリ台は 子供たちの一大遊技場に成っていた
子供達は 朝一時間程度早く起きて 登校までの僅かの時間を此処で過ごしている
女の子達は かまくらに茣蓙やママゴト道具を持ち込み
男の子は もっぱら スベリ台遊びに叫している
スベリ台と言っても お尻で滑る訳では無く
スコップの掬い部分に乗り込み 柄を舵の様に操って
約5メートル程のスロープを 代わる代わる 滑るのである
たかが遊びと言う無かれ けっこうなバランス感覚と操縦技術を要求される
操縦を誤れば 忽ちコースアウトして 雪が固まっていない所に突っ込んで行く
余程コースが悪ければ からだ半分 雪に埋もれたり
      小川にまで滑って行ってしまう者まで出る始末なのだ
子供たちにも こだわりが或る様で それぞれがマイスコップを持っている
柄の部分に 滑り止めの細いロープを巻いていたり
滑走する裏側にロウを塗ったりと 創意工夫を凝らしていた
形も様々で 四角い物、先の尖った形の物や 柄の部分を切って それ専用にした物まで或る
・・・
勇作は スタート地点から 勢い良くスコップに飛び乗ると 見る見るスピードを上げ
コースアウトしたまま 雪の中に潜る様に 頭を突っ込んでいった
「 ブファー 」「 雪、食っちまった 」
次は 啓太の番である
啓太は 慎重に柄を支えているのだが 今ひとつ 思い切りが足りない為
スタート地点で 滑走部が横に滑って 中々乗り込めないで居た
「 啓太、後がつかえてっぞ 」「 う、うん 」
啓太の乗ったスコップが ゆっくりと滑り出す が!
勇作の滑り降りたコースそのままに スコップが言う事をきいては繰れない
「 あ~っ あ~ 」
孝介と雄一が顔を見合わせ「 はまったな 」「 ああ はまった はまった 」
啓太のコースアウトには訳が有った
体重の重い 勇作が尖ったスコップで 溝を作って行った為
其の後を 体重の軽い 啓太が その溝をトレースしてしまった様だ
勝手口から 母ちゃんの声が 響き渡る
「 啓太、もう 学校に行く時間やで~ 」
勇作は 其の声に呼応する様に スコップを火箸で叩き
カンカンカンカン
「 皆、此処に並べっ 」
「 孝介、全員揃っとるか? 」「 はっ、隊長 六名全員揃っております 」
「 それでは しゅっぱ~つ 」
通常の集合場所は寺の境内である為 毎朝、和尚さんが子供たちを見送っていた
子供達は 一旦 お寺に寄ると 和尚さんに全員で
「 いってきま~す 」と声を張り上げてから 登校するのである

 

 

 

 

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